はじめに
カメラとクルマとB級スポットばかりの本ブログ。
実は、私は高校からロッククライミングを始めて9年目に突入している。
大学の頃は4年間ボルダリングジムでバイトをしていたほど。
なのに1級~2級ないしジムによっては3級含むレベルでウロウロしている。
(だいたい上限は、自然の岩でも5段くらいだからまだまだ中級者ってところか)
定期的に休止期間があったとはいえ、情けない…。
今回は、クライミングのギア、クライミングシューズについて書いていきたいと思う。
クライミング、特にロープが不要なボルダリングは、クライミングシューズと滑り止めのチョークさえあれば完璧。
その中でも圧倒的に支配的なギアは、クライミングシューズだ。
今回は、約10年のクライミング経験と、ジムスタッフの経験も合わせた上で、クライミングシューズの選び方とこだわり方を書いていきたいと思う。
クライミングシューズとは
選び方のポイント
本当に自分に合ったシューズと出会うには、失敗含む経験が必要だ。
でも、ポイントはやっぱりある。
①クライミングのレベル・経験
②着脱の種類 ベルクロとレースアップ
③形状 ソールの形状とターンイン
①クライミングのレベル・経験
まずはここが入り口。自身のクライミングのレベルに応じてクライミングシューズは選んだ方が良い。
なぜなら、クライミングシューズは形状が様々あるためだ。大まかにいうと、主に上級者になればなるほど足には悪い(履くと痛い)形状を選びやすい。
だが、まだクライミングを始めたばかり、まだまだ初中級レベルということであれば、そんな痛い思いをしない方が良いと思うし、必要ないことも多い。
これがカメラとかなら、「最初から高くていいやつを買っておけ」と絶対に言う。
絶対に後からあれにすれば良かったなぁ…なんて後悔が出てくるもの。
でもね、クライミングシューズは消耗品。登ったら登った分だけ確実に消耗していく。
10年もつものでは絶対にないから、自分が履きやすくて登るのに苦痛ではないものを優先した方が、個人的にはおすすめだ。
クライミングの虜になってしまった救いようのない人々は、足がつりそうな形状でも、サイズでも、登れるためには我慢できるようになる。なんて愚かなのだろう…。
②着脱の種類 ベルクロとレースアップ
着脱の方法で分けて、ベルクロタイプとレースアップの2種類(厳密にはスリッパタイプ含めて3種類)がある。
たかだか着脱の違い。されど着脱の違い。
脱ぎ履きのしやすさはもちろんだが、フィット感が変わってくる。
ベルクロはぺりぺりっとすぐに剥がせて楽ちんなやつ。そして、最もポピュラーなタイプ。
最近はこんな一本締めタイプが多い。
あ、このおニューのシューズは、そのうちまたレビューを。
一本締めでもフィット感はばっちりだ。
ちなみに、種類は少ないがベロクロがついていないスリッパタイプもある。
でも、フィット感にはやっぱりこいつが一番。
レースアップ、紐締めのタイプ。
一時期このタイプにこだわっていた時代もあった(遠い目)
紐は超少数派なので、孤高なスピリッツを味わえるぞ!
たしかにいちいち紐を結んだり緩めたりは面倒だけど、これはこれで集中するルーティンができて乙ですぞ。
とかいいつつ、最近はめっきり一本締めのベルクロタイプにぞっこんです。
③形状 ソールの形状とターンイン
続いてのポイントは形状。
見るべき部分は、靴底のソールと、靴全体の形状だ。
これらの形状は、シューズの性能に思いっきり関わってくる。
そして、それとは背反に履き心地も悪化していく。
ソールの基本形状は、こんな感じ。
対して、上級者向けシューズはこんな感じ。
いわゆるダウントゥという形状で、鷹の爪のようになっている。
より傾斜のきつい壁や、小さい突起を踏めるようになる。
でもね、やっぱりトレードオフってのがある訳で。ダウントゥがきついシューズをおろしたてで履くと悶絶する。痛すぎるはつりまくるはでまあ大変。
続いてターンイン。
クライミングシューズは、親指側に力が集中しやすいように反っている。
上級者用のシューズはこのターンインがきつくなっている。
画像でみるとそこまで違いは分からないかもしれないが、履いてみるとこれまたキツイ。小指がぶっちぎれそうな痛さを伴うものも…。
性能と履き心地がトレードオフの関係にあることは、お分かりいただけたかと思う。
私は、ダウントゥもターンインもそこまで極端なものは履いていない。
1足だけそういったシューズを履いたことがあったが、紆余曲折を経て、クライミングシューズに求めるのはバランスの高さであると確信したためだ。
まあ、複数のシューズを常に持ち運ぶ人は尖ったシューズも多いと思うけど。
"できないことが少ない"クライミングシューズが下手糞な私には合うかな~という結論に至ったのだ。
初めての一足は?
様々な考え方はあるだろうが、初めての一足にはオーソドックスな形を選ぶことをおススメする。
具体的には、ベルクロタイプで、形状はフラットソールでターンインもあまりきつくないもの。
こんな感じの。
クライミングジムでのバイト中、初級者の方々からよくシューズについての相談を受けることは多かった。やっぱりこんな感じのスタンダードなものをおススメしていた。
シューズ選びには、やはり経験が必要だからだ。
経験は、もちろん「これが足に合う」とか「登りやすい」という意味ももちろんだが、クライミングのスタイルやスキルが経験の蓄積によって変わってくるからだ。
傾斜がついているところを上手くなりたい、得意だ!という方向性が定まってくれば、ダウントゥがきつめのものを選んできても良いと思う。
しかし、初めたばかりの頃は、そういったことも分からないし、そもそもクライミングを継続できるかもわからない。いきなり高い上級者シューズを買ったはいいが、痛すぎて登るのが億劫になってしまった人もいらっしゃった。
初中級でシューズの性能はあまり関係ないため、まずはスタンダードな入門モデルを履くことをおススメする。
次のシューズが欲しいなあ…なんて方のシューズはきっと、ボロボロになっているはずだから。
こだわり方のポイント
続いてはこだわり方。上記までの選び方で十分なのだけれど、せっかくなので何かの参考になれば。
①クライミングのスタイルは?
一つ目のポイントは、自身のクライミングのスタイルだ。
メインで登るのは人工壁か、外の岩か。
よく登る壁や岩はどんな場所か。傾斜がきついか?緩いか?
かかとをひっかけるヒールフックや、つま先をひっかけるトゥフックを多用するスタイルか?
などなど。
私は、上記のどれもがバランスよくこなせるようになりたい!!!というわがまま君なので、できないことが少ない、バランスの良いシューズを選んでいる。
まあ…今のスタイルに落ち着くまではまあまあな時間とお金を要した。
カメラとレンズほどには使ってないけどな!たぶん。いや、いい勝負かも。
②ソールの硬さと靴の剛性
クライミングシューズの性能にかなり重要な位置を占めるソール。
このソールラバーは、柔らかく剛性が低いとフリクションが良くなり、滑りにくい傾向にある。逆に剛性が高い硬いラバーならば、滑りやすくはなるが、より小さい突起やエッジに立ちやすくなる。
特に、ファイブテンというアメリカのメーカー(現在はアディダスのブランドの一部)のシューズに使用される「ステルスラバー」は、摩擦力では群を抜く。
このステルスラバーと対をなすのが、ビブラムソールだが、こちらは剛性が高めな傾向だ。
これをどっちにしようかな~なんて悩むのも楽しいこだわりポイントだ。
しかし!!! 私イチオシのクライミングシューズメーカーは、このフリクションと剛性を高いバランスで実現している。もっと売れてもいいのにな…とか思いつつ。
これはまた別記事で詳しく。
また、靴そのものも硬い、柔らかいの違いがある。
ソールとシューズ本体の間に位置するシャンクというパーツの形状や硬さ等、様々な要因によって左右されるが、基本的には試し履きをしてみて合う方を選ぶことをおススメする。
③哲学と感性
つらつらと書いてきたが、最後はこれが大事だ。
哲学と感性。
このブランドが一流だ!
皆が履いているのは嫌だ!
孤高の存在になりたい!
とにかくうまくなりたい。
カッコ良いのがいい。
きっと様々な考え方がある。これは、どんな趣味でもそうだろう。
私も一時期、「ありふれたベルクロタイプなんぞ…」と中二病を発症し、レースアップにこだわった時期もあった。
ただ色合いがカッコ良いというだけで選んだこともあった。
だが、最終的には今回のサムネにしているベストシューズに出会った。
だから、自らの抱く哲学と感性を信じ、ただひたすらに買うべし!!!
買って履いて得られた経験が、また新たな哲学と感性を生み出し、確固たるものとなるのだ!!!
なんつって。ただ自分が無駄買いすることを肯定したいだけだったりして。
どこかのクライマーの何かのお役に立てれば幸い。
では、本日はここまで。