ごみと青い岩

クライミングシューズ OCUN Nitro(Fury)のレビュー

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※2023年4月11日追記

OCUN公式ホームページ上ではNitroからFuryという名前に変わっていました。

見た目は機能は変わっていないようですが…。日本国内のショップもまだNitro表記のため、こちらの記事ではタイトルのみFuryを追記させていただきます。

また、製品サイトのリンクもFuryのサイトに更新させていただきました。

 

 OCUNのクライミングシューズを愛してやまない私は、ついにこの最新フラッグシップモデルであるNitro(ニトロ)を手に入れた!!!

もうね、今日はクライミングシューズオタク全開で書いてくよ。

 

たぶんOCUNのシューズをここまで詳しく書いている個人ブログは無いと思うけど、写真もふんだんに使用してじっくりインプレ書いてきますぞ。

 

※クライミングとは何ぞや、クライミングシューズとは何ぞや、ってな辺りはこちらの記事で。

blue-rock53.hatenablog.com

 

OCUNとは

 

OCUN(オーツン)は、チェコのメーカーで、もともとはハーネスなどを製造していたメーカーだ。

その一環で、クライミングシューズのブランドとして「ロックピラーズ」を設立した後、2015年にブランドを「オーツン」に統合し、現在に至る。

 

 

5~6年前、ロックピラーズのシューズを見なくなったな~と思ったら、カラーリングとロゴが変わっている「オゾン」というシューズを見て驚いた記憶がある。

オゾンはロックピラーズ時代から存在するフラッグシップだった。

 

www.ocun.com

 

ロックピラーズの時代から、とことん自社オリジナルの要素を詰め込むことにこだわりを持っていることが、OCUNの特徴。

スポルティバやスカルパといった有名どころは、ビブラムソールを共通で使っており、ソールに使用するラバーは開発・製造していない。

 

しかし、OCUNはロックピラーズ時代は「グリッピンソール」、今は「CATラバー」と名前を変えながらも、自社オリジナルのラバーを持つ。

私はこのCATラバーのμ1.5にぞっこんな事もあり、OCUNを履き続けている。

 

靴のつくりも丁寧で、生地やラバーの端っこがペロッと捲れてきたりということも少ない。本当に履きつぶせる。

 

OCUN Nitro(ニトロ)

今までオゾンというフラッグシップがいたのだが、

最近流行りの一本締めとOCUN 独自構造の3Force システム・CATラバー等々、OCUNの全てを結集したシューズといっても過言ではないニトロが2019年に登場した。

 

www.ocun.com

 

フラッグシップだったオゾンは、ラバーが何故かビブラムソールだったため、買ったことはない。だけど、足入れの良さと3DForceシステムによる常に一定のフィット感が保たれている良いシューズだった。

 

チェコから遥か遠き極東の地から、「いやいやOCUNさん、3DForceシステム×CATラバーのシューズつくってよ!!!」とずーっと思い続けていた。

そして、ついに出たのだ!!!そんな夢のシューズが!!!

 

だから買っちゃいました。

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ウルトラマンティガみたいなカラーリングがちょっといまいちだけど、まあ慣れかな。

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ヒールカップはオキシ(いまメインのシューズ)に比べ小さいかな。

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青いゴムのベルトのようなものは、スリングショットといってより足をフィットさせるためのものだが、この巻かれ方や接着具合良い感じだ。

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繋ぎ目も綺麗でとても丁寧だ。

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小さいエッジにつま先をのせやすく、かつベタっと足を置いてグリップを稼ぎたいときでも柔軟に対応できるようになるOCUN独自の3Forceシステム。

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本来、小さいエッジにつま先をのせて立ち込みやすい性能と、ベタっと足を置きやすくグリップが高い性能というのは、背反の関係にある。

前者を強化したければ、シューズやソールラバーの剛性を上げてやればよい。でも、そうすると硬くて足をどこに置いているのかわかりづらくなったり、後者の性能が低下する。

 

しかし!!!3Forceシステムは、靴やラバーの剛性に頼り切らず、程よい柔らかさなども確保したまま小さいエッジでの立ち込みもしやすくしてくれる優れもの。

 

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トゥーのラバーも丁寧にみっちり巻かれている。

これで私が苦手なつま先をひっかけるトゥーフックも安心…?

 

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よし!!!早速登ってみよう。

 

実際に履いてみてのインプレ

 

良い点

めちゃくちゃ踏める。立ち込める。

こりゃ驚いた…。シューズやソール自体は新品でも足がつりそうになるような硬さはない。

 

でも何だろう…靴全体で立ち上がるような不思議な感覚。足全体がサポーターに包まれていくような感覚だ。
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スラブはもちろんだが、やっぱり強傾斜での踏め具合が段違いだ。

 

そして、もう1つはヒール。ほぼピッタリで超絶フィット。

掛かり具合も良く分かる程良い硬さ。割と薄めのホールドでも引っかけやすい。

ていうか、靴全体のフィット感が凄い。
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トゥーフックも決めやすいと思うけど、だいぶ普段履いているシューズと感覚が違い、まだまだ慣れが必要そうだ。掛けられる面積が大きいため、掛けやすいことには違いない。

 

いまいちな点

 

ちょっとだけいまいちな点は、甲高な私の足には少々キツイ点。
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↓が現在のメインシューズのOCUN オキシ。まずつま先部分を比較すると、ニトロの方が平坦でオキシは盛り上がっている。

足の甲の部分もニトロの方がフラットだ。
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その証拠に、止めた後のベルクロの余り具合が全然違う。
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少し甲の部分で詰まっている感じがあるが、これは履きまくって自分の足型に矯正していくしかないかなという感じ。

サイズはオキシもニトロも共に7.5UKで同じなため、シューズの形状による違いだろう。

 

2か月ほど時々履いてみているが、だいぶフィット感も増してきたため、私と同じく甲高の方もしばらくは辛抱強い慣らしが必要かもしれない。

 

 

いや~でもやっぱり全体的に良いシューズだ。

ぶっちゃけ不満点は慣らしで解消していきそうだし。

本当に待望にしていたシューズでもあるので、慣らしを進めて共に精進していきたい。

 

だらだらとマニアックな内容を書いてきたが、どこかのクライマーのお役に立てれば幸いだ。

 

では、本日はここまで。