ごみと青い岩

アナログで学び、映す宇宙〜明石天文科学館〜

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「そら」という2文字をどう変換するか?

 

空?はたまた天空?

 

私は、どうしても「宇宙」としたくなる。

 

青空も良いけど、やっぱり星空はずーっと見上げていて飽きない。

今見ている星の光は、当然今の光ではない。ぱっと見つけやすいオリオン座の最も明るい星、リゲルは864光年離れているため、864年前に光ったリゲルの姿を見ていることになる。

 

今から864年前だと、1156年で平清盛パイセンが生きて保元の乱とかいう戦で戦っている年のようだ。

令和の時代にいながら、私たちは平清盛が生きていた時のリゲルの姿を目にできる。

 

それだけでもう私にとっては宇宙ってロマンの塊なのだ。

 

前置き長過ぎた。すみません。

 

さて、日本の標準時子午線である東経135度。 

この経線を通ることで有名な明石市だが、ここには素晴らしい天文科学館がある。

 

たまたま、コロナ下になってから初めて関西へ行く機会ができたため、この素晴らしい天文科学館へ行ってきた。

 

群馬からだと電車の接続も良くないし、コロナだし、ということで車で。アイサイト使いまくりで往復1000kmの旅だ。

 

素晴らしい素晴らしいと連呼しているが、なにが素晴らしいかというと、現役最高齢のカールツァイス・イエナ社製プラネタリウム投影機があるのだ。

 

宇宙開拓の足跡を丁寧に伝える展示の数々

 

場所はこの辺。

 

HPはこちら。

 

入館料700円。

JAF割引有!ありがたや!

 

135度線の上に展示されたマンホール。

こんな神秘的なマンホールが他にあるだろうか(反語表現)

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プラネタリウムだけが目玉ではない。

この博物館の素晴らしい所は、とても丁寧に天文学と人類の宇宙開拓の変遷が展示されている所。

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 パネルだけでなく、いちいち男心をくすぐる模型が展示されている。

 

見よ!このアポロ11号を!

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月面に立つ宇宙飛行士は、バズ・オルドリンだろうか?

「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが…」で有名なニール・アームストロング船長は、自らカメラを持っていることが多かったため、月面でのアームストロング船長の姿は案外少ない。

 

むむむ!これはソ連の宇宙ステーションミール!

なかなかミールの模型を目にすることは少ないため、思わず興奮してしまう。

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ミールは、現在も運用されるISS(国際宇宙ステーション)よりも前の1980年代に建設が開始され、2001年に役目を終えて大気圏へ落され廃棄された。 

 

www.afpbb.com

 

こちらはおなじみスペースシャトル

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往還宇宙船の夢は人類には早過ぎたのかな…。

最近では民間の往還宇宙船も開発されているし、日進月歩の素材技術や異素材同士の接合の技術によってまた復活してほしい。

 

こちらは時計の展示コーナー。

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正確に刻み続ける135度線上の時刻。

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これから紹介するプラネタリウムだけでなく、こうした展示物も派手な展示はないが、模型を使ってとにかく丁寧に展示されているのがとても素晴らしいと思う。

 

さてさて、いい感じに宇宙への興奮が高まってきたため、プラネタリウムに急ごう。

 

現役最古のプラネタリウム投影機

 

入り口にはこんな展示も。

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投影機が傾いた時に、観客側へ光が漏れださないようにするためのシャッターらしい。

 

そして…

 

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ご対面…!これが日本現役最古の投影機だ。

 

なんと…美しい…。まるで衛星やソ連(ロシア)の宇宙船ソユーズ風味すら感じる。

iss.jaxa.jp

 

興奮しすぎてぶれっぶれだが、ZEISSの文字が輝く。

そう、あのカール・ツァイスが戦後分断され、東ドイツのツァイスとなった「カール・ツァイス・イエナ」社製なのだ。

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電球の位置を物理的に移動させて星の動きを再現する…。

プロジェクター的に映すのではない。

 

www.planetarium-guide.net

 

もちろんだが、「きこきこ」なんて音はしないし、無音でスーッと動く。

 

友人は道中「機械油の匂いがするんだ!」と興奮しながら語っていたが、これは本当だった。

 

 

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そんでもって、ガイドのアナウンスは生!生解説っ!

しかも、ほんのり関西風で「はぁ…!俺は今関西にいるっ!」と最高に旅の情緒を感じながら、ゆっくりとじんわりとまぶたに重みを感じてくる。

 

メインは月のお話だったのだが、星が消え始めて月の映像が出てきてから記憶が無くなってしまった。

恐らく宇宙への興奮が記憶障害をもたらしているのかもしれない。

(解説のお姉さんごめんなさい。解説がつまらないとかは全く無く、本当に寝不足でした!)

 

 

他にもツァイスの息吹を感じるプラネタリウムはあるようで、こんなブログの記事も。

これやりたいよぉ!

stelo.sblo.jp

 

近年のコニカミノルタ系の感動!綺麗!みたいなプラネタリウムはあまり好きではない(全く嫌いではない)私にとっては、また来たいと心の底から思えるプラネタリウムだった。

 

展示物も派手な映像やゲーム、施設がある訳ではないが、模型というアナログな手法で丁寧に解説・展示されているのがとっても良かった。

 

アナログで学び、映す宇宙は、本当にロマンで一杯だった。

 

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明石市に行った際はぜひお立ち寄りを。


では、本日はここまで。