
過去2回に分けて水戸を巡る様子を綴って来た。今回は最終回となる。
ついに水戸藩の藩校だった弘道館へ。いやはやここは本当に素晴らしかった。
確実に水戸観光の大本命スポットだと思う。
土砂降りの中で約180年の歴史を全身で感じる
藩校を建てたのはまたしても9代水戸藩主の徳川斉昭。水戸藩自体の財政困窮や、幕府と藩との関係性など、様々な改革に意欲的だった斉昭。
これからの水戸藩の発展には教育の拡充が肝と考え、諸藩にならい藩校の設置に踏み切る。
弘道館では、武術や兵学、儒教などの武士お馴染みの科目だけでなく、天文、数学、地図等々の科学も勉強ができるようになっていたのだとか。

まさに江戸時代における総合大学のような位置づけだった。そんな弘道館の中に早速お邪魔していこう。

天気は生憎の雨。しかも土砂降り。
しかし、もはやドラマの雨のような強さのため、逆に雰囲気があって良い。職員さんは雨が入り込んできていないか心配そうに見回っていたが…。

想像以上に凛とした張り詰めた空気で満ちている。
訪れるまではもっと観光スポット的な雰囲気を想像していたのだが、良い意味で予想が裏切られた。

身分別に月ごとの出席日数が決められていたとのことだが、卒業という概念はなく、40歳以上は好きな時に通学すればよいという仕組みらしい。
武士の子であれば、生まれた時から藩の何かしらの仕事に携わることが決まっていたこの時代。やはり学ぶことの使命感は、現代とは比べ物にならない高さだったのだろうか。
自身の働きが自分の家にも直結するのだから、公私ともにモチベーションは高くならざるをえないのだろうか。
江戸幕府成立から200年を過ぎ、体制のバランスが揺るぎ出した不安定な情勢を感じながら、彼らはどんな思いでこの玄関を上がったのだろうか。
どんなことを思いながらこの景色を眺めていたのだろうか。

当時の建物が残っているからこそ、思いを馳せてしまう。

そういえば藩校と言えば、以前長野は松代でも見学していた。松代藩校の方が、より現代の学校に近い雰囲気だったことが改めてわかる。
松代藩校にあった体育館のような武道所や、大きな講堂のような教室も無く、弘道館はあくまで武家屋敷の延長のような雰囲気。
こうなると他の藩校も気になるな。色々と藩校巡りもしてみたいものだ。
まさに生き証人の建物たちは日の光の中で輝く
雨が上がり始め、青空が見え始める。

同時に雫たちが様々なものを光らせ始める。雨が降っているタイミングに来れて良かったと心底思う。


歌学も学べたという弘道館。若き藩士たちもこの花や緑、雨上がりの情緒豊かな雰囲気を歌に詠んだのだろうか。

いやあ…この弘道館は納豆や黄門様よりも打ち出して欲しい観光資源だと思う。
さすがに地味過ぎるか…。

のんびりと水戸を巡ってきた訳だが、初めて水戸の魅力を体感できた。

結局は徳川家に引っ張られてしまった感があるが、水戸は御三家である水戸徳川の息吹が今も息づいている。
やはり水戸は忠実に徳川の足跡を辿るのが、一番面白いのかもしれない。
では、本日はここまで。