死者を弔うという行為は、いつ頃から始まったのだろうか。
なんでもネアンデルタール人は埋葬を行っていたみたい。
弔うという行為を行うためには、”生と死”とか”身体と魂”のような
難しくて抽象的な思考が必要に思う。
現代では、心臓や呼吸が止まり命が途絶えた人を”死者”として認識(※)し、死者に対して悲しみ等の特別な意識を持って弔うということは当たり前だ。
しかし、人類以外の動物はそんなことは行わない。
人類が高度な知能や思考を獲得した証拠なのかもしれない。
初めはただ埋めれば良かったかもしれないが、その地域の文化や権力構造によって弔う形もだんだん変化してきた。そんなことは、皆さんもご存じであろう。
今回訪れた「長柄横穴群」は、正直地味だ。
しかし、地味ゆえに「一体どういった歴史的背景があったのだろうか」と歴史に思いを馳せられるロマンが生々しく詰まっていた。
「長柄横穴群」とは
長生郡(ちょうせいぐん)の長柄(ながら)町にある、古墳時代末期の遺跡だ。
斜面にいくつもの横穴が掘られ、そこに人が埋葬されていたようだ。
駐車場は無料だが、そこまで広くない。
しかし、安心して欲しい。
千葉県民を極めるため、前々から目をつけていた千葉の超絶B級スポットにやってきた。GWだというのにこの閑散具合である。
— GOMI (@komitaro1900) May 4, 2018
見よこの閑散具合!
GWだぞGW。
ということなので、ドラマや映画の撮影スポットとかにならない限り、駐車場は満車にならないだろう。
実は、この駐車場には無料トイレと一緒に資料館も併設されている。
しかし、普段は無人で閉鎖されている。
見学する場合には、入り口に明記されている電話番号に連絡する。職員の方が来て開けてくれるようだ。
今回は時間の都合で見学できなかったため、そのうちリベンジしたい。
駐車場の目の前に横穴群はひろがっている。
こんなに並んでいるのか・・・。
1つや2つかと思っていたが、斜面に5~6個ある。
しかし、全て中が見れるわけではない。
とりあえず目についたところに入ってみる。
中は暗すぎて写真は撮れなかった。
この入り口から入ると、胸の高さくらいで一段高くなっている。
どうやらそこに死者を葬っていたようだ。
内側から見るとこんな感じ。
古墳時代末期といえば1000年以上前。しかも、当時の文明の中心から遠く離れた千葉だというのに、綺麗な掘り方がされている。
一体どんな人たちが埋葬されていたのだろう。
権力者?
資料館行けば分かったかな。
少し歩くとまた別の穴がある。
右は保全のためか蓋がされている。
茂みに埋もれかけているこの姿。
うーむエモい。
エモい。
変に整備されていなくてとても生々しい。
なおさらどういう人を弔う目的で、どういう人たちが掘ったのだろうと気になる。
古墳時代の末期というのだから、古墳の築造技術は完熟期だったはずだ。
にもかかわらず、穴を掘って弔ったのはなぜだろう。
そこまでの権力者では無かったのかな。
そんな妄想が好きな方にはお勧めのスポットだ。
しかし、そんな妄想してられないという方にとっては、ただの穴である。
(※)管理人による個人の考えです。医学や法的などの観点からの”死”を表す意味ではありません。