ごみと青い岩

雨の後楽園と思い出とふたり

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緊急事態宣言中ではあったのだが、大学時代の恩師にある書類にサインをもらうため、半年ぶりに東京へ行ってきた。

 

 

美化されるべき思い出

東京へ着いたのは日がほぼ沈みかけていた夕方。

よりによって雨がぱらついていた。

 

少しでも濡れると風が冷たい。もう秋だなあ。

先生とは喫茶店で待ち合わせをしていた。

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お互いマスク越しだが、2年ぶりの再会に笑顔であることがすぐに分かった。

直接会うのは2年ぶりだが、定期的にWebでは話していたからぎこちなさはない。

 

私は、この先生に大学のゼミで3年間お世話になった。

所詮文系のゼミなんて…というイメージを粉々に打ち砕く厳しさで、卒業生たちはもう二度とやりたくはないと誰もが言う。でも、同時に時々戻りたくなる場所でもある。

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「研究者になったのは研究が好きなのもあったけど、ゼミの場を通じて教育者になりたかった」と、ある時先生が語っていた言葉が頭に残っている。

 

「そんな先生が大学にいるのか」と驚くのと同時に、この場を選んだ自分自身も少し「よく選んだ」と誇らしくなったのを覚えている。

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本当はお酒でも呑みながら思い出話に花を咲かせたかったが、今日はコーヒーで我慢。

 

「改めておめでとう。じゃあまた。」

 

そう言って先生はいつものようにスタスタと歩いていった。

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外に出るとすっかり夜で、雨もザーッと音が聞こえるほど強くなっていた。

 

天気とは正反対に、私の隣を歩く人はずいぶんと満足気だ。

私は、先生にせっかくサインをもらった書類を役所に出すまで濡らすなよと、不安げに手提げを見る。

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雨で濡れているから余計にキラキラと美しく見えるドームシティ。

 

こんな雨が降っているときに傘もささず、この辺りを終電目指して走っていたのは、一体いつだったろうか。

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思い出は美化されがちだけど、別にこの思い出が美化されて損することは一つもない。

だから、余計にこの雨に濡れて光るドームシティは余計に美しく見える。

 

今は学生の時とは違ってきちんと傘をさす。

2人ともさすがに無理はできなくなっている。少し嘆きたくもなるが、今はその分色んな意味で少し余裕も出来た気がする。f:id:blue_rock53:20210925214257j:plain

 

なぜ結婚するのか?

もう時代は令和だ。性別や家族のあり方にも色々ある。

別に結婚しなくても問題はない。

 

だからよくこういう「なぜ結婚するのか」という疑問がネットに転がっているのも不思議に思わない。

 

自分自身もそういうことを考えるかと思っていたのだが、案外当事者になるとそんな理由を考えることはなかった。

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少しでも迷いがあるときは何かと理由を考えたくなるものだ。

レンズにしろ、クルマにしろ。迷いながらももっともらしい理由を見つけて決済する。

 

そうだ。結婚することに迷いが無かったから、結婚する理由を考えようとしなかったんだな。

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え、レンズやクルマと一緒にするなって?

でも私の人生上、迷いがない即決ってそうそうないですぞ。

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ということで、この度Gomi家は2人と4本足1匹の家族となりました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

では、本日はここまで。