中古で手に入れてからいまだに現役でいる。その写りと携帯性に魅了されてプレミアムコンデジというカテゴリーも好きになってしまい、FUJIFILM X100Fを所有することにも繋がった。
丁度先日発表されたX100VIは、100Fの後継モデルになる訳だが30万円近い価格等が物議を醸している。
コンデジに関しては古い機種しか持ち合わせていないからこそ、新型も気になりつつ、今後のコンデジ運用をどうしたものかと悩んでもいる。
そんな雑多な思いを抱えながら古のDP2で東京都内を巡った。
神保町から九段下へ
久しぶりにやってきた神保町。初めてのカメラを手に入れた学生時代、お金が無いからとりあえず歩きながら見たものを撮ろうとよく訪れた。
表の大通りに面した部分を洋風の建物に見えるようにするいわゆる「看板建築」の生き残り。
もう数は少ないけれど神保町の辺りにはまだ残っている。
そのまま一駅歩いて九段下へ。
旧軍人会館であり、二二六事件の際には戒厳司令部も置かれた九段会館。東日本大震災の際に天井崩落事故があってから、東急不動産に買い取られ2017年に九段会館テラスという複合ビルに生まれ変わっている。
いやはやカッコ良い建物だ。このロビーに入ると自然と背筋が伸びる。
旧九段会館の解体工事の際に出てきた基礎の柱脚。この中にコンクリートと鉄骨の柱があったようだ。
そして、改めてこういった無機質な人工物とDP2の相性が良いことに気づく。
この小ささでこれだけ写って。それでもってこの雰囲気はDP2でないと出ないのだ。
特に冬場はコートのポケットに手と一緒に突っ込めるのだから、散歩自体の邪魔にもならず、より楽しい。
根津神社から日比谷へ
では、自然と調和している神社ではどうかというと、やはり空気感も切り取られているような雰囲気は同じで素晴らしい。
これが10年以上前のコンデジなんて信じられるか。
X100Fも楽しいのだが、携帯性はさすがにDP2には敵わない。
メインのレンズ交換式一眼レフを持ち出すと、確実に写真を撮るという行為がメインになってしまう。それはそれで楽しいのだけれど、肩ひじ張らずに街を眺めたり、色々なお店を巡ってみたりという場面には、やはりコンデジが最適な気がしている。
肩肘の張らなさがいつもとは違う写真を撮らせてくれると感じる場面も多い。
エスカレーターを降りながら何気なく撮った写真。これなんてまさにそんな写真だ。
手前のカーブを描く梁のような部分と奥の直線的な柱の組合せ、光の雰囲気が面白そうで何となくシャッターを切った。X-T5だったら撮ってないかもしれない。
これがX100Fだったらシャッタースピードのダイヤルをグリグリしたり、アナログ操作を楽しみながらぶらぶらして満足度を高める。
そう考えるとそれぞれしっかりキャラクターの立ったラインナップを揃えているんだな、と自分で感心してしまう。
小ささの中に尖った魅力が欲しいのかも
そうか。結局コンデジに求めるものは、片手におさまる小ささの中に尖ったキャラクターを求めているのだな。
当たり前の結論なのかもしれないが、こうして自分の中で咀嚼する作業は私の中でとても大切にしている。
では、そうした結論の下に見るX100VIはどうかというと、価格の割にあまりそそられないという結論になってしまうかも。
DP2とX100Fをしばらく大事に使いながら、気ままにそそられるカメラを探していきたい。
お付き合いいただきありがとうございました。
では、本日はここまで。