前回は河口湖でカヌーを楽しんだ様子をお送りしたが、やはり富士山の麓にいれば浅間神社へ行かねばならない使命感を覚える。
ということで、今回は河口浅間神社へ向かった様子をお送りする。
”富士山の噴火を鎮めよ”その前線基地
西暦864年に起きた貞観大噴火は、大量の溶岩を噴出させた。流れ出た溶岩は、当時あったせの海という巨大な湖を2つに分断させてしまった。
それが、今の精進湖と西湖だというのだからどれだけ大規模な噴火だったかが分かる。
そんな大噴火を鎮めるべく天皇の勅命により、この地に浅間明神が祀られ、朝廷から任命された神職たちによる決死の鎮火祭が執り行われたという。
いやいや西湖と精進湖なんてすぐそこだぞ…。とてつもない大噴火が起きている目の前で必死に鎮火を祈っていたのだ…。
ということでやってきた河口浅間神社。
貞観大噴火の際、この未曽有の大噴火は富士山本宮浅間大社の富士山への祭祀が足りなかったんだ!!!と朝廷からキレられたらしい。
「そんなことを言われても…」という気分だっただろうが、あの巨大な富士山が大噴火を起こしているのを見れば、やはり神(富士山)の怒りに触れてしまったと己を責めたのだろうか。
一方、そんな未曽有の災害の中で決死の祈りを捧げた人々を思うと、この地にすら畏怖を抱いてしまう。
この祠は、拝殿などが建立される以前につくられたものらしい。美麗(ひいら)石と呼ばれるものだ。
古代祭祀の証の一つとされている。
全体を通して一番印象に残っているのはこの美麗(ひいら)石だ。
これはもはや遺跡だろう…。
この石の祠から始まり、結果として富士山の噴火がおさまった。それは単純に噴火活動が落ち着いた科学的な結果だとしても、この地で人々を思い鎮火しようとした人々の祈りが少しでも届いたものだと思いたくなる。
すると、思わず手を合わさずにはいられない。
天空の鳥居を目指す
さて、ここにはインスタ映えを狙ったような「天空の鳥居」がある。
あまりそういったものには惹かれないのだが、この神社ができた歴史を知ると、この地から富士山を一望できる鳥居が見たくなった。
ということでハイキング開始である。
いや~これは久しぶりにスニーカーでは確実に辛い登山道だ。
底が厚い丈夫な靴をおススメする。
この日は気温も高めで汗だらけ。やっぱりここまでする必要はなかったかな…。
と思っていたら到着。
前言撤回である。
素晴らしい眺めだ。
しかし、同時に今も活火山である富士山には畏れも感じてしまう。
富士山信仰には、違和感なく納得できてしまう自然崇拝の歴史が今も確実に生きている。
愛犬と絶品ほうとうを味わえる完熟屋
絶景の後は絶品料理を食べねべならない。
ということでこちらへ。
ここはテラス席で愛犬と一緒にほうとうを食べられる。
しかも富士山を見ながら。
この日はアナゴの天ぷら付き野菜ほうとうを頂いた。
甘くまさに完熟しているかぼちゃと、しっかりした味噌の塩気と旨味がたまらなく旨い。うますぎる。
そんでもってフワフワのアナゴ天。
山梨に来ればそれなりにほうとうも食べてきたが、完熟屋さんの美味しさはトップレベルではと思う。
食後は香り高い珈琲ですっきりと
さて、たくさん食べた後は口の中を引き締めたくなる。
完熟屋さんの隣からコーヒーのいい香りが漂ってきた。
店内の素敵な雰囲気に後ろ髪を引かれながら、この日はブレンドのアイスをテイクアウト。
一口飲むといい香りが鼻に抜けてきて最高に幸せ。
苦みが主体ですっきりとした飲み心地。
このまま幸せな味と香りを口と鼻に転がしたまま車に乗り込み、帰路についたのだった。
これはまた新しい山梨の定番ルートを見つけてしまっただろうか。
では、本日はここまで。