ごみと青い岩

岩に抱かれる御堂~平泉の達谷窟毘沙門堂~

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平泉といえば…?

皆さんは何を思い浮かべるだろうか。

 

中尊寺金色堂が一番ぱっと頭に浮かぶ方も多いだろう。

間違いなく中尊寺は行ったほうが良い。しかし、そこまで行ったのならば、ぜひもう一つ訪れてみて欲しいのが、今回の達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう)だ。

 

まずは字が読めねえよってのが感想だが、とりあえずいつもの通り公式ページと地図を置いておこう。

 

www.iwayabetto.com

 

場所はこの辺。

 

中尊寺からは車で10分ほどで到着する。

中尊寺毛越寺を観光した後にも立ち寄りやすい。

 

www.travel.co.jp

 

 

ということで着きました。

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同行していた友人は、「この鳥居の形は広島の厳島神社と同じでは!?」と興奮する。

確かにそうだ。

 

調べてみると、こういった形の鳥居は「両部鳥居」というらしい。

そもそも鳥居は、神明鳥居と明神鳥居2つの形式に分類される。

 

このシンプルな形が神明鳥居。

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少しごてっと装飾がついたものは、明神鳥居。

両部鳥居は、この明神鳥居の中にカテゴライズされる。

 

鳥居のイラスト

 

 

境内を流れる水も綺麗だ。これは期待できるぞ、と謎理論でさらに期待値を上げていく。

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そして…

 

 

どーん。

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うおおお!!!はまってるよ!建物!

なんでこんなところに建てようと思ったのだろうか。

 

この毘沙門堂は、「全国の田村さんなら一度はこの人のせいでいじられたかもしれない偉人ランキング第一位」の坂上田村麻呂によって801年に建てられたという。

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当時はここにとんでもない乱暴者の蝦夷がこの付近を拠点としていたらしい。

そこへやってきた"征夷"大将軍である田村麻呂がボコボコにし、建てられたとのこと。

 

素晴らしい"征夷大将軍っぷり"を見せつけたものだが、どこまで拠点にしていた蝦夷が極悪人の乱暴者だったかは怪しいものだ。

 

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とはいえ、境内はかなり厳かな雰囲気で、飲食やペットを伴っての参拝は禁止されている。

この御堂の下も立ち入り禁止とのこと。

 

 それに見合う厳かさというか、無理やりにでもそうさせてしまうような威圧感を感じることは間違いない。

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またこの岸壁には、源義家が彫らせたという岸壁大仏がいる。

明治の地震で顔から下が崩壊してしまったらしい…残念。

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どこにいるかな…? 

 

鐘楼もあったりと、色々な建物も残っている。

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姫待不動堂と呼ばれるこの建物は、田村麻呂が討伐する前にここを拠点としていた蝦夷たちが、京からお姫様をさらったことに由来する。

 

元々この地から離れた場所にある滝を本尊として建てられた御堂だが、腐敗もひどくなり江戸時代にこちらへ移されたらしい。

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現代ではもう限界といわんばかりに痛みが目立つ。

 

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かやぶき屋根のこの苔の生えようがすさまじすぎる。もう変えてくれ!!!という叫びが聞こえてきそう。

しまいには草もぼうぼうだ。

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でも何故か歴史のロマンを感じてしまう。こうして自身はボロボロになりながら、250年近くこの地を見つめ続けてきたのだ。

この建物は、近々取り壊されてしまうようだ。建て替えだとは思うが…。 

 

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奥には隣接する西光寺がある。

でも、やっぱり綺麗な朱色より、この苔だらけになった茅葺屋根の建物を振り返ってしまうのだった。

 

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久しぶりの東北だったが、やっぱり見どころが多くてたまらない。

歴史的な地も多く、Google map見ながらのブラブラ旅をまたしたいなあ。

 

では、本日はここまで。