ごみと青い岩

TAMIYAの”グラスホッパー”で再び童心に帰る

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YouTubeからおすすめされた一つの動画をきっかけに、完全に私はRCカーへの熱を取り戻してしまった!(スターウォーズのエピローグ風)

実家から持って帰ってきてからというもの、どこをいじって走らそうか妄想にふける日々。

 

またブログのカテゴリー増えちゃうよ…。

 

 

グラスホッパーとの再会とRCカーを始めたきっかけ

YouTubeで動画サーフィンをしていると、突然こんな動画がおススメされてきた。

 

私は衝撃を受けた。

「なぜ…なぜお前は俺がこのRCカーを持っていたことを知っている…!」

 

そう、私は小学校5~6年生から中学校の前半くらいまでラジコンにハマっていた。

 といっても、初めて買ってもらったこの「グラスホッパー」1台をひたすらいじり倒し、幕張や新習志野の空地へ行って走らせる日々だった。

www.tamiya.com

 

そもそも今時点で社会人3年目の人間が、ラジコンに興味を持ったのかというとこの本がきっかけだった。

プラモで有名なタミヤのマークがでっかく印刷されたこの文庫本に、当時小学5年生だった私の心はぐっと掴まれた。

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父は模型やRCカーブーム全盛の1970年~80年代を少年時代として過ごした男だ。タミヤには散々お世話になっていたがゆえに、きっと本屋でこの表紙を見かけて惹かれてしまったに違いない。

 

だがこの本は見た目だけでなく、中身が本当に素晴らしい。この本自体は通算で10回近く読み返している気がする。こんなにリピートしているのは、この本くらいだ。

 

タミヤの現会長兼社長の田宮俊作氏自らが著した本で、戦後の木製模型屋から出発し、いかにして世界のTAMIYAとなったのか、その軌跡を著したものだ。

この本を語り始めると止まらないので別の機会としたいが、これを読めばきっとタミヤ製品が欲しくなるのは間違いない。

 

www.itmedia.co.jp

 

そんでもって、影響を受けやすい私は、タミヤの製品を実際に手にしたくなって仕方がなかった。中でも、やっぱりクルマ好きとしては自分自身の手で組み上げるRCカーに惹かれた。

 

グラスホッパーとは?

 

数々のRCカーが発売されていた80年代。

RCカーは、本体だけでも1万円後半、コントローラーやその信号を受信する受信機、操舵を制御するサーボなど、総額2万円後半から3万円以上することが普通だった。

 

そこに構造を簡易化し、1万円を優に切る低価格化したグラスホッパーを登場させた。今まで欲しくても買ってもらえなかった少年たちにも、RC カーを手の届く存在にさせた1台だ。

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オフロードを走らせられるバギータイプに、このレトロな雰囲気。両親への価格面の説得。平成を生きていたgomi少年にもすべての条件を満たしたマシンだった。

 

構造もシンプルで、組みやすく、いじりやすいというのも特長だろう。

 

この人のブログとかよく読んでたのよね~!最近、この人のYouTubeチャンネルも見つけて時代の流れを痛感した。

blog.goo.ne.jp

 

カメラでぶっ壊した金銭感覚の恩恵 カムバックのハードルの低さ

 

入手してからは暇なときには常にこいつをいじるようになった。

当時小学生だった私にとって一大改造だったのは、フロントサスペンションのオイルダンパー実車と同じように、バネだけでなく油の粘り気による抵抗力で衝撃を吸収する)化だ。

 

グラスホッパーは、前も後ろもただのコイルスプリングがついているだけ。だからひょこひょこ跳ねやすい(グラスホッパーの由来)。

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 シャシーと一体のサスマウントを切り落とし、別の車種のサスマウントをはめ込んでオイルダンパーを組み込んでいる。いや~少年にとっては結構お金もかかったし一大改造だった。

 

けど、あまり変化を感じなくてガッカリした。

 

ちなみに、リアもオイルダンパー化している。これは、兄弟車のホーネットという車種の部品を流用できる超おきまりチューニング。

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www.tamiya.com

 

しかし、このオイルダンパーは、私の叔父さんが少年時代に遊んでいたホーネットの部品。オイル漏れも酷く、動きが悪い。

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ということで、これは最近の部品に交換していこう。

 

もう大人だし。

そして、カメラの世界で完全にぶっ壊した金銭感覚は、ラジコン関係の買い物のハードルをぐぐっと下げてしまう恐ろしさ。

 

久しぶりに模型屋さんでウキウキしながら部品を見つめ、3点もお買い上げ。加えてアマゾンでもベアリングもポチッ!

あれ?まだ3000円くらいだぞ?万単位じゃない世界ってやさしいなぁ。

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とりあえずホイールのロックナットをアルミ化。次はギアボックスの中を分解して清掃してみようかな。

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一通り整備してから走らせてみよう。

 

ということで、これからRCカーネタも徐々に織り交ぜます。

ジャンルごちゃまぜですんません。

 

では、本日はここまで。

 

稲毛はヨットハーバーで物思いにふける

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緊急事態宣言の中ではあるが 、昨年亡くなった祖父の納骨のため千葉へ帰郷した。

blue-rock53.hatenablog.com

 

もう半年が経とうとしている。四十九日とかガン無視で住み慣れた祖父母の家に骨壺は安置していたのだが、なかなか本家の墓との兼ね合いなんかもあり納骨が遅くなってしまった。

 

群馬へ帰る前、いつものように稲毛のヨットハーバーに寄ってのんびりとしてきた。

久しぶりに海を見て興奮する元千葉県民の姿をご覧あれ。

 

 

ウィンドサーファー達が集う浜

 

このブログでは2回目の登場。

blue-rock53.hatenablog.com

 

千葉市民、船橋市民には馴染みのあるここ。

 人生を通じて何回ここに来ているんだろうか。

ここは写真を撮るか、海を見ながらぼーっと過ごすのが良き過ごし方。

 

今日はK-3を持ってきているので真面目に写真を撮りたいと思う。

 

うひゃ~!!!海だ!!!潮の香りだ!!!

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今日はめちゃくちゃいい風(暴風) が吹いているため、絶好のウィンドサーフィン日和のようだ。

 

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だいぶ暖かくなったけど、さすがにまだ風が冷たい。海の水はもっと冷たいだろうか。

 

浜にあがって身体を休める人。

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波と風と格闘しながら必死に帰る人。

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波と風を見極める人。

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色んな人がいる。この合間には私のようにカメラを持って歩く人、波打ち際で遊ぶ人もいる。部活帰りの高校生が鬼ごっこなんかもしたりしている。

 

これでいいんだよね、幕張・稲毛のこの浜辺は。

 

人々が思い思いに過ごす。

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だから心置きなくのんびり過ごせる。

 

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戦中軍国少年であった祖父は、結構真面目に海軍兵学校(海軍の士官学校)へ行こうと思っていたらしい。受験できる年齢に達する前に終戦を迎えたため、その夢は叶わずだったが…。

 

その名残から海軍関係は大好きで、図書館にしか置いていないような分厚い軍艦の書籍があったり。おかげで私もある程度のシルエットで何型なのかくらいは分かるまでに英才教育を受けてしまった。

 

そんな祖父は、死んだら骨は海に撒いて欲しいなんてことも言っていた。

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意外とお金も手間もかかるということで却下されてしまったけど、都内の球場近くの綺麗なマンション型お墓に入ることとなった。

なんだかんだミーハーで、野球好きな祖父はたぶん海に撒かれなくても良かったと思っているに違いない。

 

そうでしょ?と海を見ながら祖父に話しかけた。

 

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突堤に足をのばす

 

突き出た防波堤。突堤に足を伸ばす。

 

釣り好きならば一度は行ったことがある、という場所かもしれない。

 

でも風がヤバい日は、潮を被ることもあるため、穏やかな時に行くことをおススメする。

今日はヤバい日だけど、海に飢えた群馬県民は自制心がきくはずもなく、足に力を入れて歩みを進める。

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気を抜くと風に煽られてフラっとしてしまうほどに風は強い。

よく釣り竿が吹っ飛ばないなーと感心してしまう。

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カメラを構えてもカメラごと風に振られてしまいそうになる。ブレてそうだなぁ。

 

案外大丈夫?

いや微妙にブレてる。

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筋トレ足りないかなあ。まあ筋トレしてないんだけど。

ライミングに関係することしかしてないから体のバランス悪くなってる。腕立て伏せなんて何年してないんだろ。

 

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今日は一段とすごいな。ブレが。

写真じゃなくて、話の方。

 

まあたまにはいいか。今日は千葉の海をただのんびりと見つめていたい。

 

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自転車でちょっと頑張ってここに来ていたガキンチョの時から、ここはそういう場所だ。脈略無くいろんなことに思いを馳せて、黄昏る。

 

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気取ってんじゃねえやと自分でも思うけど、海を見ているとやっぱりそうしていたくなって、それでちょっとすっきりしたりする。

別に何か答えが出たり、目から鱗が落ちるような瞬間がある訳でもない。

 

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それって何になるの?何が得られるの?っていう人もいると思うけど、私にはプロセスとして何となく必要だなと思っていたりする。何となくね。

全てが曖昧なのは良くないのかもしれないけど、全てをはっきりと明確である必要はないのかなと思う。

社会人も早3年目に突入しようというところでそう思う。

 

何を書いてたんだろうか。まあ、今回は雑記ということでご勘弁を。

 

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では、本日はここまで。

 

日本三大毘沙門天 大岩山毘沙門天へ

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足利氏の発祥の地でもあり、古くからの歴史が息づく足利市

山火事で有名になってしまったが、渡良瀬川も流れるこの街は美してのんびりとした良い場所。

なんとか山火事は鎮圧の見通しが立ってきたようだが、足利のこんな素晴らしい場所もあるんだぞ!と微力ながらアピールしておきたいと思う。


www3.nhk.or.jp

 

それが、大岩山毘沙門天。実は、山火事の起こる直前の土日にここへ行ってきていた。

www.oiwasan.or.jp

 

場所はこの辺で、山火事が酷かった場所は南側の高速道路を越えた山だった。

 

ちなみに、今は閉鎖中のようなので、こちらのページから最新情報をチェック頂きたい。仏像なども搬出されていたようだが、幸い今も延焼などは食い止められているようだ。

www.oiwasan.or.jp

 

※訪れる際は、足利市から鎮火宣言等を確認してからにしよう!!!

 消火活動や付近の住民の皆様の邪魔にならないように!

 

ということでコペンでやってきた。

駐車場は本堂に続く階段の目の前に3台分くらいある。

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今日のレンズは久しぶりにSMC PENTAX-M f1.7 50mmを持ち出した。

いや~久しぶりにこの焦点距離使うと難しい!

 

マニュアルフォーカスも久しぶり…。


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てな感じで参道の石段を撮るにも何回か撮りなおした。

お恥ずかしい。

 

最近は文明の利器に頼り切りです。はい。

 

コロナの影響で手水舎には、水すら張っていないことも多い。

けどこれは綺麗だなあ。
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ここまで花が浮いていたらわざわざ手を清めようなんて人もいないだろうし。


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この大岩山毘沙門天は、745年に行基さんによって開かれた。

超スーパー坊主の行基さんの功績はこちらでご確認頂きたい。

www.pref.nara.jp

 

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京都の鞍馬山・奈良の信貴山と合わせて日本三大毘沙門天の一つだ。

と書かれた解説を見たが・・・初めて聞いたなあ。日本三大毘沙門天なんてあるのか。


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この大岩山はハイキングコースも整備されていて、山帰りの人も参拝に訪れていた。


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石段を登りきると本堂にたどり着く。

 

境内全体がこじんまりとしているのだが、入り口からは想像できないほど本堂が大きくて立派だ。

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だがここでAPSCで50mmはめちゃくそチョイスミスだったということに気づく。

本堂がここまで大きいとは想定していなかったぞ…。

 

ぜんっぜん建物が写真におさまらん…!

腰が折れそうになりながら後ろにのけぞって撮る。


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腰も痛くなったので建物全体を撮ることは諦め、パーツに終始する。


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さて、足利氏をはじめ、数々の武将も参拝に訪れたという大岩山毘沙門天

実はかなり険しい山の中に存在している。
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今となっては車で来れるものの、道路も細くてアクセスはしにくい。

数百年前であればここに来るまでは、かなり険しい道を通ってきたことだろう。

 

いわば霊山的な立ち位置にあったのかもしれない。


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この本堂は江戸時代に火事で焼失してから再建されたようだが、このように基礎が丸見えで萌えポイントが高い。

 

そろそろバレているかもしれないが、この屋根の美しいラインに魅せられている。
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帰ってから写真を見返して、死ぬほど屋根を撮っていてびっくり。


境内にはこんな鐘楼もある。
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鐘楼の鐘は誰でもつくことができる。
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誰でもついていい鐘があったらつかねばならぬ。

これが私のポリシー。


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境内には私一人だったので遠慮なく「ゴーン」とひとつき。

まあ誰かがいてもつくんだけどね。

 

こういう鐘つくのってテンション上がらない?
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鐘もついていい気分。


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マニュアルフォーカスの単焦点でのんびりと撮るのも全く手間に感じない。

少しづつピントリングを合わせてピントの山を見つける。ドンピシャなものが撮れた時の快感。あ~忘れてたなあこの楽しさ。


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こんな清々しい気分になるのは鐘をついたおかげ?


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楽しくなってきたから無駄にそこら辺の葉っぱも撮っちゃう。


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のぼりだって撮っちゃう。

 

終わり際になって気分が乗ってくる。

大器晩成型とか、後半に伸びるタイプってよく言われる。

 

ちょっとだけハイキングコースに寄り道。
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ああ…山のにおいだ。土と葉の香り。

山も久しぶりに行きたいなあ。

 

寄り道ついでに見つけた場所は良い景色。
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今度はこのあたりのハイキングコースを踏破してみるのも良いかな。

 

では、本日はここまで。

クライミングシューズ OCUN Nitro(Fury)のレビュー

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※2023年4月11日追記

OCUN公式ホームページ上ではNitroからFuryという名前に変わっていました。

見た目は機能は変わっていないようですが…。日本国内のショップもまだNitro表記のため、こちらの記事ではタイトルのみFuryを追記させていただきます。

また、製品サイトのリンクもFuryのサイトに更新させていただきました。

 

 OCUNのクライミングシューズを愛してやまない私は、ついにこの最新フラッグシップモデルであるNitro(ニトロ)を手に入れた!!!

もうね、今日はクライミングシューズオタク全開で書いてくよ。

 

たぶんOCUNのシューズをここまで詳しく書いている個人ブログは無いと思うけど、写真もふんだんに使用してじっくりインプレ書いてきますぞ。

 

※クライミングとは何ぞや、クライミングシューズとは何ぞや、ってな辺りはこちらの記事で。

blue-rock53.hatenablog.com

 

OCUNとは

 

OCUN(オーツン)は、チェコのメーカーで、もともとはハーネスなどを製造していたメーカーだ。

その一環で、クライミングシューズのブランドとして「ロックピラーズ」を設立した後、2015年にブランドを「オーツン」に統合し、現在に至る。

 

 

5~6年前、ロックピラーズのシューズを見なくなったな~と思ったら、カラーリングとロゴが変わっている「オゾン」というシューズを見て驚いた記憶がある。

オゾンはロックピラーズ時代から存在するフラッグシップだった。

 

www.ocun.com

 

ロックピラーズの時代から、とことん自社オリジナルの要素を詰め込むことにこだわりを持っていることが、OCUNの特徴。

スポルティバやスカルパといった有名どころは、ビブラムソールを共通で使っており、ソールに使用するラバーは開発・製造していない。

 

しかし、OCUNはロックピラーズ時代は「グリッピンソール」、今は「CATラバー」と名前を変えながらも、自社オリジナルのラバーを持つ。

私はこのCATラバーのμ1.5にぞっこんな事もあり、OCUNを履き続けている。

 

靴のつくりも丁寧で、生地やラバーの端っこがペロッと捲れてきたりということも少ない。本当に履きつぶせる。

 

OCUN Nitro(ニトロ)

今までオゾンというフラッグシップがいたのだが、

最近流行りの一本締めとOCUN 独自構造の3Force システム・CATラバー等々、OCUNの全てを結集したシューズといっても過言ではないニトロが2019年に登場した。

 

www.ocun.com

 

フラッグシップだったオゾンは、ラバーが何故かビブラムソールだったため、買ったことはない。だけど、足入れの良さと3DForceシステムによる常に一定のフィット感が保たれている良いシューズだった。

 

チェコから遥か遠き極東の地から、「いやいやOCUNさん、3DForceシステム×CATラバーのシューズつくってよ!!!」とずーっと思い続けていた。

そして、ついに出たのだ!!!そんな夢のシューズが!!!

 

だから買っちゃいました。

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ウルトラマンティガみたいなカラーリングがちょっといまいちだけど、まあ慣れかな。

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ヒールカップはオキシ(いまメインのシューズ)に比べ小さいかな。

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青いゴムのベルトのようなものは、スリングショットといってより足をフィットさせるためのものだが、この巻かれ方や接着具合良い感じだ。

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繋ぎ目も綺麗でとても丁寧だ。

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小さいエッジにつま先をのせやすく、かつベタっと足を置いてグリップを稼ぎたいときでも柔軟に対応できるようになるOCUN独自の3Forceシステム。

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本来、小さいエッジにつま先をのせて立ち込みやすい性能と、ベタっと足を置きやすくグリップが高い性能というのは、背反の関係にある。

前者を強化したければ、シューズやソールラバーの剛性を上げてやればよい。でも、そうすると硬くて足をどこに置いているのかわかりづらくなったり、後者の性能が低下する。

 

しかし!!!3Forceシステムは、靴やラバーの剛性に頼り切らず、程よい柔らかさなども確保したまま小さいエッジでの立ち込みもしやすくしてくれる優れもの。

 

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トゥーのラバーも丁寧にみっちり巻かれている。

これで私が苦手なつま先をひっかけるトゥーフックも安心…?

 

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よし!!!早速登ってみよう。

 

実際に履いてみてのインプレ

 

良い点

めちゃくちゃ踏める。立ち込める。

こりゃ驚いた…。シューズやソール自体は新品でも足がつりそうになるような硬さはない。

 

でも何だろう…靴全体で立ち上がるような不思議な感覚。足全体がサポーターに包まれていくような感覚だ。
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スラブはもちろんだが、やっぱり強傾斜での踏め具合が段違いだ。

 

そして、もう1つはヒール。ほぼピッタリで超絶フィット。

掛かり具合も良く分かる程良い硬さ。割と薄めのホールドでも引っかけやすい。

ていうか、靴全体のフィット感が凄い。
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トゥーフックも決めやすいと思うけど、だいぶ普段履いているシューズと感覚が違い、まだまだ慣れが必要そうだ。掛けられる面積が大きいため、掛けやすいことには違いない。

 

いまいちな点

 

ちょっとだけいまいちな点は、甲高な私の足には少々キツイ点。
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↓が現在のメインシューズのOCUN オキシ。まずつま先部分を比較すると、ニトロの方が平坦でオキシは盛り上がっている。

足の甲の部分もニトロの方がフラットだ。
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その証拠に、止めた後のベルクロの余り具合が全然違う。
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少し甲の部分で詰まっている感じがあるが、これは履きまくって自分の足型に矯正していくしかないかなという感じ。

サイズはオキシもニトロも共に7.5UKで同じなため、シューズの形状による違いだろう。

 

2か月ほど時々履いてみているが、だいぶフィット感も増してきたため、私と同じく甲高の方もしばらくは辛抱強い慣らしが必要かもしれない。

 

 

いや~でもやっぱり全体的に良いシューズだ。

ぶっちゃけ不満点は慣らしで解消していきそうだし。

本当に待望にしていたシューズでもあるので、慣らしを進めて共に精進していきたい。

 

だらだらとマニアックな内容を書いてきたが、どこかのクライマーのお役に立てれば幸いだ。

 

では、本日はここまで。

 

素朴で等身大な城下町~甘楽町 小幡~

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過去にこちらで紹介した群馬県甘楽町にある楽山園と、それをつくった小幡藩

blue-rock53.hatenablog.com

 

この時には回り切れなかったが、実は楽山園の周辺には古い町並みが残っている。

今回は久しぶりにカメラを片手にのんびりと甘楽町は小幡の町を歩いてみた。

 

 

武家屋敷地区も残る古い町並みと、町を繋ぐ雄川堰

 

この日はポカポカ陽気で久しぶりにコペンの屋根を開けて走ってきた。

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 ここは無料駐車場で、小幡の町を歩くにはここが中心地にあって便利。

 

 

さて、X100Fを片手に歩き始める。 

 

最初はここ。武家屋敷とその石垣、そして当時の道がそのまま残る中小路。

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見える…見えるぞ…!刀を差して歩く武士の姿が…!

距離は短いけど、こうして町の中に当たり前のように江戸時代と変わらない光景があることは感動を覚える。

 

道の途中では、今も人が住む家の庭を見れたりする。

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ここ小幡の城下町には、雄川堰(おがわぜき)という用水路が巡らされている。

いつ頃につくられたものかは、今でもはっきりしていないようだ。

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織田氏小幡藩の統治者となった1600年代前半には、楽山園のすぐ隣にあった小幡陣屋が完成したりと、小幡藩としての形が整備されていった。

それに伴い、この雄川堰も現在の形と近い形で改修されたと考えられているらしい。

 

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心地よい水の流れる音を聞きながら、何枚か撮っては歩き、撮っては歩きを繰り返す。

あぁ…こうして町を歩いて写真を撮るって癒されるなぁ。

 

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うお!いい雰囲気の建物!って興奮してファインダーを覗いたり。

シャッター切った後にカメラを見つめて、「いいカメラだなぁ」なんてにやついたり。

 

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ここは桜並木になっているようで、春にはきっと素晴らしい景色になっているに違いない。

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そして、町中を流れる雄川堰は、節々で人々の生活との近さを感じる。

 

こことか。たぶん、当時から野菜や農機具を洗ったりに使う洗い場じゃないかな。

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今でも定期的に清掃もされ、水質が維持されているようなので、野菜の泥を落としたりにも使われているかもしれない。

 

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養蚕農家群を雄川堰とともに見つめる 

 

富岡製糸場が近いここ甘楽は、養蚕業が盛んな町だった。

この古い家々は、養蚕農家だった家でGoogle Mapにもピンが立っている。

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この養蚕農家の道具も目の前の雄川堰で洗われたりしていたようだ。

やっぱり小幡の人々と雄川堰の生活は密接に結びついている。

 

 この井戸は今でも使われているのだろうか。

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お、これはさすがに使われてそう。

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ちなみに甘楽の歴史や、養蚕業の歴史はここで学べる。

行った時は、私一人の貸し切りだった。

無駄に食い入って展示物を見ていたのに見かねて、学芸員?のおじ様がとても丁寧に解説をして下さった。

まさにミニガイドツアー状態…笑

 

ここに異動して来て間もないから自信がないと言っていたけど、プロは凄いですな~。

 

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蚕も小さいうちは柔らかい葉しか食べないから若葉だけを摘んであげたり、繭を必要な枠の中に全部つくるように工夫をしたり、養蚕農家は本当に大変だ。 

 

そんな苦労もこの雄川堰は見つめてきたのだろうか。

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小幡八幡宮~小幡の守り神~

 1645年に小幡藩の庁舎ともいえる小幡陣屋(楽山園は小幡陣屋の庭園)の鬼門封じとして建てられたのが始まりという。

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Twitterやっててビックリ。

twitter.com

 

鬼門封じって何だっけ?と改めて調べてみた。

鬼が出入りするくらい不吉な方角(北東)のことを「鬼門」といい、そこに寺などを建てて防ぐ意味合いがあったようだ。

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この小幡八幡宮も地図で確認してみると、きちんと小幡陣屋の北東に位置していることが分かる。

 

石垣の上に本堂がある。

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結構ワイルドな積まれ方した石垣だ。

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ふらふらと歩きまわっていたらだいぶ日が傾いてしまった。

けど、おかげで日の当たり加減が好みな感じ。ついつい写真を撮るのに夢中になってなかなか進まない。

 

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本殿の前にくぐるこの建物。民家の瓦のようなものが屋根に敷かれていたり、祭りなどで使うであろう長椅子も置かれている。

 

何だか良い意味で等身大な神社だ。

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雄川堰と同じように長らくこの小幡の町を見守り、愛されてきた場所なのだろう。

 

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こんなに美しい町の素地をつくった信長の子、信雄はきっと優れた武将であり、統治者だったのだろう。

信長の子でありながら、戦国の世をのらりくらりと生き抜き、江戸にも近いこの地に領土を与えられているのだから。

 

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ここ甘楽の小幡の町並みは、決して川越などの「小江戸」で有名な町とは違い、The 観光を期待する方にはおすすめしない。

 小幡は、決して誇張しない当時から脈々と続く、等身大で素朴な城下町を残しているのだ。

 

この言葉に「むむ」っと食指が少しでも動いた方は、ぜひ訪れてみてはいかが?

 

では、本日はここまで。

旧開智学校~希望と熱意の結晶~

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地元住民の希望と熱意の結晶

 

matsu-haku.com

 

 松本城がある大通りからは少し離れ、ひっそりとした住宅街の方に向かって歩いていく。

 

 

 

 すると突如現れるこの和洋折衷な建物。

ちぐはぐ感のない、調和がとれたまさに"折衷”な雰囲気…擬洋風建築と呼ばれるらしい。

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ざんぎり頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。 

新しい時代の幕開けとともに、様々な新しい文化が入ってきた明治初め。

 

そんな明治9年に完成した旧開智学校。前身は、江戸時代の松本藩が設置した藩校の崇教館で、廃藩置県後も残っていた。

明治5年の学制の施行により、開智学校は開設されたが、校舎は廃仏毀釈で廃寺となった建物を使っていたようだ。

 

その後すぐ、この校舎を建造するために工事費の7割を地元の人々が負担し、3割を廃寺の廃材売り払い等で確保したようだ。

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公立学校の工事費の7割を住民からの寄付というのも凄い時代だな…という話だが、それだけ新しい時代と、何よりその時代を生きていく子供たちへの希望や期待に溢れていたのだろうか。

 

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この建物を設計したのは、地元松本の棟梁だった立石清重。

彼が開智学校の設計を依頼されたのは、46歳。 それまで洋風建築に携わったことはなかったが、建物の見学や勉強のため東京や横浜へ自費で行ったそうだ。

 

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この学校にかけられた人々の熱意は、並大抵のものではない。

そんな校舎の中を今でも当時の姿のまま見ることができる。

 

一階で受付を済まし、校舎内に入る。

 

 

おお!思ったよりも学校だ!

旧開智学校の先進性に関心すべきか、私の母校の後進性を悲しむべきか…。

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明治の初めに建てられた学校だから、もっとジブリのトトロなんかに出てくるような学校の雰囲気を想像していたのだが…。

廊下の雰囲気も、教室の雰囲気も昭和に建てられた私の母校とそこまで遠くないように感じる。

 

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実際、この校舎自体は1963年まで現役だった。現役時代は、現在の地から少し離れた場所にあったが、移築復元工事が行われた。

 

イムリーな企画展 感染症と学校

 

そうそう。ちょうど感染症の企画展をやっていたんだよね。

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当時の役場から学校への通知だったり

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先生の日誌なんかも展示してあった。一番右には「天然痘」の文字が見える。

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今ではインフルエンザとして一般的となったスペイン風邪

この時の学校の掲示物も展示されていて、「マスクをせよ」「人と人との間隔を保て」と今でも同じ内容のものが!

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学校で刷り込まれたものってなかなか忘れなかったりするものだからな~。

案外、日本のマスク文化の一つの要因だったり…?

 

 

細部の美しさ 

 建物内部の細かい部分には、学校とは思えない洒落た装飾がちりばめられている。

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この木目にように見える模様は、ペンキで木目のように描いたものとのこと。

2階の扉にある。これがなかなかリアルで、よくある樹脂製の木目パネルよりも立体感があって木目感がリアル。

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 今の学校にはまず無さそうな手の込んだ装飾たちがいたるところに。

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そして、極めつけはこれだ!なんとステンドグラス!

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 このステンドグラスも設計者の立石自ら、舶来品を買い付けたものらしい。

ステンドグラスなんて学校にいらんだろ…と思ってしまうのは、学校という教育の場が当たり前のものという前提に生きているだからだろうか。

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校舎建築に情熱をかけた当時の人々は、約260年という長い徳川幕府の時代から、新たな時代へと移り行く中で、これからを生きる子供たちへ希望を抱いていたのだろう。

その希望を、自分たちができうる限りの協力をして形としたのではないか、そんなことをこのステンドグラスを見ると思う。

 

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今まで松本城までしか見てこなかったことを少し後悔。

当時の姿をそのままに残す貴重な建物に触れることができて大満足だ!

 

ちなみに、すぐそばには現開智小学校がある。

きちんと旧校舎をリスペクトした形となっている。

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綺麗な校舎だ…。

 

おまけ 旧司祭館 

 旧開智学校を出てすぐ目の前に、かわいらしい家がある。

 

旧司祭館という名のこの建物は、松本カトリック教会の宣教師たちが暮らした家のようだ。 

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 派手さはないけど、素朴なつくりで暖かみがある。

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 なんか色合いがちょっとお洒落なカフェみたいな感じだ。

名前だけそれっぽいけど普通な味のコーヒーが出てきそう(大偏見)

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 入館料無料なので、旧開智学校にお越しの際はふらっと寄ってみては?

クライミングシューズの選び方とこだわり方

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はじめに

カメラとクルマとB級スポットばかりの本ブログ。

実は、私は高校からロッククライミングを始めて9年目に突入している。

大学の頃は4年間ボルダリングジムでバイトをしていたほど。

 

なのに1級~2級ないしジムによっては3級含むレベルでウロウロしている。

(だいたい上限は、自然の岩でも5段くらいだからまだまだ中級者ってところか)

定期的に休止期間があったとはいえ、情けない…。

 

www.climbing-net.com

 

今回は、クライミングのギア、クライミングシューズについて書いていきたいと思う。

 

ライミング、特にロープが不要なボルダリングは、クライミングシューズと滑り止めのチョークさえあれば完璧。

その中でも圧倒的に支配的なギアは、クライミングシューズだ。

 

今回は、約10年のクライミング経験と、ジムスタッフの経験も合わせた上で、クライミングシューズの選び方とこだわり方を書いていきたいと思う。

 

ライミングシューズとは

 

選び方のポイント

本当に自分に合ったシューズと出会うには、失敗含む経験が必要だ。

でも、ポイントはやっぱりある。

 

①クライミングのレベル・経験

②着脱の種類 ベルクロとレースアップ

③形状 ソールの形状とターンイン

 

①クライミングのレベル・経験

 

まずはここが入り口。自身のクライミングのレベルに応じてクライミングシューズは選んだ方が良い。

なぜなら、クライミングシューズは形状が様々あるためだ。大まかにいうと、主に上級者になればなるほど足には悪い(履くと痛い)形状を選びやすい。

 

だが、まだクライミングを始めたばかり、まだまだ初中級レベルということであれば、そんな痛い思いをしない方が良いと思うし、必要ないことも多い。

これがカメラとかなら、「最初から高くていいやつを買っておけ」と絶対に言う。

 

絶対に後からあれにすれば良かったなぁ…なんて後悔が出てくるもの。

 

でもね、クライミングシューズは消耗品。登ったら登った分だけ確実に消耗していく。

10年もつものでは絶対にないから、自分が履きやすくて登るのに苦痛ではないものを優先した方が、個人的にはおすすめだ。

 

ライミングの虜になってしまった救いようのない人々は、足がつりそうな形状でも、サイズでも、登れるためには我慢できるようになる。なんて愚かなのだろう…。

 

 ②着脱の種類 ベルクロとレースアップ

 着脱の方法で分けて、ベルクロタイプとレースアップの2種類(厳密にはスリッパタイプ含めて3種類)がある。

たかだか着脱の違い。されど着脱の違い。

 

脱ぎ履きのしやすさはもちろんだが、フィット感が変わってくる。

 

ベルクロはぺりぺりっとすぐに剥がせて楽ちんなやつ。そして、最もポピュラーなタイプ。

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最近はこんな一本締めタイプが多い。

あ、このおニューのシューズは、そのうちまたレビューを。

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一本締めでもフィット感はばっちりだ。

ちなみに、種類は少ないがベロクロがついていないスリッパタイプもある。

 

でも、フィット感にはやっぱりこいつが一番。

 

レースアップ、紐締めのタイプ。

一時期このタイプにこだわっていた時代もあった(遠い目)

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紐は超少数派なので、孤高なスピリッツを味わえるぞ!

たしかにいちいち紐を結んだり緩めたりは面倒だけど、これはこれで集中するルーティンができて乙ですぞ。

 

とかいいつつ、最近はめっきり一本締めのベルクロタイプにぞっこんです。

 

③形状 ソールの形状とターンイン

続いてのポイントは形状。

見るべき部分は、靴底のソールと、靴全体の形状だ。

 

これらの形状は、シューズの性能に思いっきり関わってくる。

そして、それとは背反に履き心地も悪化していく。

 

ソールの基本形状は、こんな感じ。

 

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対して、上級者向けシューズはこんな感じ。

いわゆるダウントゥという形状で、鷹の爪のようになっている。

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 より傾斜のきつい壁や、小さい突起を踏めるようになる。

でもね、やっぱりトレードオフってのがある訳で。ダウントゥがきついシューズをおろしたてで履くと悶絶する。痛すぎるはつりまくるはでまあ大変。

 

 続いてターンイン。

ライミングシューズは、親指側に力が集中しやすいように反っている。

 

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上級者用のシューズはこのターンインがきつくなっている。

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画像でみるとそこまで違いは分からないかもしれないが、履いてみるとこれまたキツイ。小指がぶっちぎれそうな痛さを伴うものも…。



性能と履き心地がトレードオフの関係にあることは、お分かりいただけたかと思う。

 

私は、ダウントゥもターンインもそこまで極端なものは履いていない。

1足だけそういったシューズを履いたことがあったが、紆余曲折を経て、クライミングシューズに求めるのはバランスの高さであると確信したためだ。

 

まあ、複数のシューズを常に持ち運ぶ人は尖ったシューズも多いと思うけど。

"できないことが少ない"クライミングシューズが下手糞な私には合うかな~という結論に至ったのだ。

 

初めての一足は?

 

様々な考え方はあるだろうが、初めての一足にはオーソドックスな形を選ぶことをおススメする。

具体的には、ベルクロタイプで、形状はフラットソールでターンインもあまりきつくないもの。 

 

こんな感じの。

www.lostarrow.co.jp

 

www.caravan-web.com

 

ライミングジムでのバイト中、初級者の方々からよくシューズについての相談を受けることは多かった。やっぱりこんな感じのスタンダードなものをおススメしていた。

シューズ選びには、やはり経験が必要だからだ。

 

経験は、もちろん「これが足に合う」とか「登りやすい」という意味ももちろんだが、クライミングのスタイルやスキルが経験の蓄積によって変わってくるからだ。

 

傾斜がついているところを上手くなりたい、得意だ!という方向性が定まってくれば、ダウントゥがきつめのものを選んできても良いと思う。

 

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しかし、初めたばかりの頃は、そういったことも分からないし、そもそもクライミングを継続できるかもわからない。いきなり高い上級者シューズを買ったはいいが、痛すぎて登るのが億劫になってしまった人もいらっしゃった。

 

初中級でシューズの性能はあまり関係ないため、まずはスタンダードな入門モデルを履くことをおススメする。

次のシューズが欲しいなあ…なんて方のシューズはきっと、ボロボロになっているはずだから。

 

こだわり方のポイント

 

続いてはこだわり方。上記までの選び方で十分なのだけれど、せっかくなので何かの参考になれば。

①クライミングのスタイルは?

一つ目のポイントは、自身のクライミングのスタイルだ。

メインで登るのは人工壁か、外の岩か。

 

よく登る壁や岩はどんな場所か。傾斜がきついか?緩いか?

 

かかとをひっかけるヒールフックや、つま先をひっかけるトゥフックを多用するスタイルか?

 

などなど。

 

私は、上記のどれもがバランスよくこなせるようになりたい!!!というわがまま君なので、できないことが少ない、バランスの良いシューズを選んでいる。

 

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まあ…今のスタイルに落ち着くまではまあまあな時間とお金を要した。

 

カメラとレンズほどには使ってないけどな!たぶん。いや、いい勝負かも。

 

②ソールの硬さと靴の剛性

ライミングシューズの性能にかなり重要な位置を占めるソール。

このソールラバーは、柔らかく剛性が低いとフリクションが良くなり、滑りにくい傾向にある。逆に剛性が高い硬いラバーならば、滑りやすくはなるが、より小さい突起やエッジに立ちやすくなる。

shop.adidas.jp

 

特に、ファイブテンというアメリカのメーカー(現在はアディダスのブランドの一部)のシューズに使用される「ステルスラバー」は、摩擦力では群を抜く。

 

このステルスラバーと対をなすのが、ビブラムソールだが、こちらは剛性が高めな傾向だ。

 

これをどっちにしようかな~なんて悩むのも楽しいこだわりポイントだ。

 

しかし!!! 私イチオシのクライミングシューズメーカーは、このフリクションと剛性を高いバランスで実現している。もっと売れてもいいのにな…とか思いつつ。

これはまた別記事で詳しく。

 

また、靴そのものも硬い、柔らかいの違いがある。

ソールとシューズ本体の間に位置するシャンクというパーツの形状や硬さ等、様々な要因によって左右されるが、基本的には試し履きをしてみて合う方を選ぶことをおススメする。

 

③哲学と感性

つらつらと書いてきたが、最後はこれが大事だ。

哲学と感性。

 

このブランドが一流だ!

皆が履いているのは嫌だ!

孤高の存在になりたい!

とにかくうまくなりたい。

カッコ良いのがいい。

 

きっと様々な考え方がある。これは、どんな趣味でもそうだろう。

 

私も一時期、「ありふれたベルクロタイプなんぞ…」と中二病を発症し、レースアップにこだわった時期もあった。

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ただ色合いがカッコ良いというだけで選んだこともあった。

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だが、最終的には今回のサムネにしているベストシューズに出会った。

 

だから、自らの抱く哲学と感性を信じ、ただひたすらに買うべし!!!

買って履いて得られた経験が、また新たな哲学と感性を生み出し、確固たるものとなるのだ!!!

 

 

なんつって。ただ自分が無駄買いすることを肯定したいだけだったりして。

 

 

どこかのクライマーの何かのお役に立てれば幸い。

 

では、本日はここまで。